生活保護で支給される金額は、国が定める計算方法で最低生活費を算出して求められます。最低生活費は、居住地域・世帯人数・年齢などによって変化するため注意が必要です。
しかし、最低生活費の計算式は複雑で、条件によっては加算される手当などもあるため、「生活保護の支給金額の計算方法を知りたい」「生活保護を受ければいくらもらえるのかわからない」といった声が上がっています。
そこで本記事では、生活保護で支給される金額を求めるのに必要な最低生活費の計算方法を解説します。2人世帯・4人世帯など世帯別の基準額をシミュレーションした結果も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
これを読めば、生活保護を受けた際にどの程度の金額がもらえるのか計算する方法が理解できますよ。
目次
生活保護で支給される最低生活費とは?
最低生活費とは、生活保護制度の目的の「健康で文化的な最低限度の生活を保障すること」に必要な必要最低限の生活費のことです。居住地域・世帯人数・年齢などによって金額は異なります。収入がある場合は、算出された最低生活費から収入を差し引いた額が生活保護の支給額です。
また、そもそもの生活保護制度の受給条件や申請方法や、受給のメリット・デメリットは以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
生活保護支給額の内訳と基準額
生活保護は8つの扶助で構成されています。それぞれの扶助の使い道や基準額を把握しておきましょう。
生活扶助
生活扶助は、食費・被服費・光熱費など日常生活に必要な費用に充てるための扶助です。生活保護の扶助の中では最も使い道の自由度が高い扶助だといえます。
食費などの個人的費用(第1類)と光熱水費などの世帯共通費用(第2類)を合算して算出されます。居住地域・年齢・世帯人数によって金額が異なるのも特徴です。障害者がいる世帯・母子世帯・児童を養育する世帯には一定額が加算されます。
居住地域は、1級地-1〜3級地-2までの6段階に分られておりそれぞれ基準額が違います。住んでいる場所が何級地に該当するのかこちらで確認しておきましょう。居住地域・年齢・世帯人数を考慮した、生活扶助額の具体的な計算条件は、こちらで確認してください。
住宅扶助
住宅扶助は、マンション・アパートなどの家賃に充てるための扶助です。生活保護受給中は原則持ち家を所有できないため、多くの場合は住宅扶助を受けながら賃貸物件に住むことになります。
住宅扶助は基準額が決まっており、その範囲内で支払っている家賃分が支給されます。基準額は居住地域ごとに異なるため、居住地域が何級地に該当するのかこちらで確認しておきましょう。
例えば、同じ東京都内で一人暮らしの場合でも、何級地に分類されているかによって基準額が異なります。基準額は都心ほど高く、地方ほど低いのが一般的です。
住宅扶助の基準額の例(東京都・単身の場合) | |
---|---|
区分 | 基準額(円) |
1級地(23区・立川市・八王子市など) | 53,700 |
2級地(羽村市・あきる野市など) | 45,000 |
3級地(西多摩郡 日の出町・八丈待ちなど) | 40,900 |
生活保護を受給する場合、住宅扶助の基準額内で支払える家賃の賃貸物件にのみ住むことができます。
教育扶助
教育扶助は、義務教育を受けるために必要な学用品費用に充てるための扶助です。なお、高校生には、高等学校等就学費が支給されます。教材費・クラブ活動費・入学金(高校生の場合)などの実費も計上可能です。対象の子どもがいる世帯にのみ支給されます。
教育扶助の基準額
- 小学生:2,600円
- 中学生:5,100円
- 高校生:5,300円
医療扶助
医療扶助は、医療サービスを受けるための費用に充てる扶助です。現金ではなく、福祉事務所から医療券や調剤券が支給されます。これらを使うことで、指定された医療機関を無料で利用可能です。医療扶助の内訳には治療材料費というものもあり、眼鏡や歩行用の杖などの購入費用も支給される場合があります。
介護扶助
介護扶助は、要介護認定を受けた40歳以上の受給者が介護サービスを利用する費用に充てるための扶助です。
通常、介護保険サービスの利用費のうち7〜9割が介護保険で負担され、残りの1〜3割が自己負担となります。しかし、生活保護受給者は自己負担分の1〜3割を介護扶助で賄うことが可能です。生活保護世帯も介護保険料の支払い義務はありますが、支払いには生活保護費が充てられるため、実質無料で介護を受けられます。
出産扶助
出産扶助は、受給者が出産する際の分娩費用・産後の入院費用に充てるための扶助です。病院で出産する場合は入院助産制度で出産費用が支給されるため、出産扶助は入院助産制度分では足りなかった費用のみ支給されます。自宅や指定の助産施設以外で出産した場合も、出産扶助を費用に充てることが可能です。
出産扶助の基準額は、出産に要する費用として311,000円以内です。やむを得ない理由で出産予定の施設での分娩が難しくなった場合は363,000円以内が特別基準として設定されます。衛生材料費(おむつ代など)が必要な場合は、6,100円以内の額の支給を受けることも可能です。
生業扶助
生業扶助は、就労に必要な技能の修得などにかかる費用に充てる扶助です。仕事に就いて自立するまでの過程を支援するものなので、スーツなどの購入費にも使えます。ちなみに、前述の高等学校等就学費は、厳密には生業扶助に分類される扶助です。
生業扶助として支給される技能習得費の基準額は、89,000円以内です。また、スーツの購入費などに充てられる就職支度費は34,000円以内と定められています。
葬祭扶助
葬祭扶助は、受給者が葬儀を執り行う場合に支給される扶助です。受給者に身寄りがないときは、受給者自身が死亡したときの葬儀費用にも適用されます。葬祭扶助は居住地によっても金額が異なり、基準額は以下の表のとおりです。
居住地区分 | 大人 | 小人 |
---|---|---|
1級地・2級地 | 215,000円以内 | 172,000円以内 |
3級地 | 188,100円以内 | 150,500円以内 |
生活保護支給額の計算方法
生活保護支給額の目安は、厚生労働省の「最低生活費の算出方法」を参考に計算できます。生活保護の支給額は、計算した最低生活費から収入(年金を含む)を差し引いた額が目安です。
最低生活費は、以下の式で求められます。
最低生活費=生活扶助+特例加算+生活扶助本体における経過的加算+住宅扶助+その他受給条件を満たす扶助
生活費全般に充てる生活扶助と、家賃に充てる住宅扶助はほとんどの場合支給される扶助です。これに加えて、子どもがいる家庭には教育扶助、要介護者がいる家庭には介護扶助など必要な扶助が加算されます。
特例加算は1人あたり月額1,000円です。生活扶助本体における経過的加算の額は、居住地域・世帯人数・年齢によって300〜4,000円ほどの額が設定されています。
生活保護支給額の世帯別シミュレーション
具体的にいくら生活保護が支給されるのか、世帯別にシミュレーションしてみましょう。計算式は、厚生労働省の「最低生活費の算出方法」を使用しています。正確な支給額は福祉事務所に問い合わせて確認してください。Webに公開されている計算ソフト・ツールも便利です。
1人世帯の場合
60〜64歳の1人世帯を想定した場合の最低生活費目安は以下の表のとおりです。
居住地域 | 生活扶助(円) | 住宅扶助(円) | 最低生活費(円) | |
---|---|---|---|---|
東京都23区 | 1級地-1 | 76,880 | 53,700 | 130,580 |
福岡県福岡市 | 1級地-2 | 74,310 | 36,000 | 110,310 |
北海道函館市 | 2級地-1 | 72,430 | 30,000 | 102,430 |
広島県三原市 | 2級地-2 | 71,460 | 35,000 | 106,460 |
埼玉県飯能市 | 3級地-1 | 70,080 | 40,900 | 107,080 |
香川県さぬき市 | 3級地-2 | 67,740 | 32,000 | 99,740 |
18〜59歳も生活扶助・住宅扶助は同額で「生活扶助本体における経過的加算」という生活扶助に加算される額が異なるだけなので、最低生活費は1,000円前後の差しかありません。住宅扶助はその地域における満額を仮定しており、実際には家賃分のみ支給されます。
一方、65〜74歳、75歳以上となると生活扶助の額が下がります。結果として最低生活費が低く計算され、生活保護の支給額が低くなるでしょう。
生活保護として支給されるのは、上記の最低生活費から収入を差し引いた額が目安です。年金受給者の場合は、年金受給額を収入として扱います。
2人世帯の場合
以下の2人世帯を想定した場合の生活保護支給額をシミュレーションします。
2人世帯|母子家庭の場合
20〜40歳の母親と6〜11歳の子の2人世帯を想定した場合の最低生活費目安は以下の表のとおりです。
居住地域 | 生活扶助(円) | 母子世帯等 加算額(円) |
児童を養育する 場合の加算額(円) |
住宅扶助(円) | 教育扶助(円) | 最低生活費(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
東京都23区 | 1級地-1 | 121,199 | 18,800 | 10,190 | 64,000 | 2,600 | 217,789 |
福岡県福岡市 | 1級地-2 | 117,915 | 18,800 | 10,190 | 43,000 | 2,600 | 193,505 |
北海道函館市 | 2級地-1 | 114,611 | 17,400 | 10,190 | 36,000 | 2,600 | 181,801 |
広島県三原市 | 2級地-2 | 113,096 | 17,400 | 10,190 | 42,000 | 2,600 | 186,286 |
埼玉県飯能市 | 3級地-1 | 110,548 | 16,100 | 10,190 | 44,000 | 2,600 | 184,438 |
香川県さぬき市 | 3級地-2 | 106,494 | 16,100 | 10,190 | 38,000 | 2,600 | 174,384 |
母子世帯の場合、生活扶助に母子世帯等の加算額があります。また、児童を養育する場合の加算額も1人分考慮し、子が小学生であれば2,600円の教育扶助も支給対象です。世帯人数が増えた分、住宅扶助も増額します。
児童を養育する場合の加算額は、18歳になる日以後の最初の3月31日までの子がいれば加算されます。教育扶助は小学生が2,600円で中学生が5,100円、高校生向けの高等学校等就学費は5,300円です。
生活保護の支給額は、最低生活費から親の収入を差し引いた額です。
2人世帯|高齢の親と子の場合
70〜74歳の親と20〜40歳の子の2人世帯を想定した場合の最低生活費目安は以下の表のとおりです。
居住地域 | 生活扶助(円) | 住宅扶助(円) | 最低生活費(円) | |
---|---|---|---|---|
東京都23区 | 1級地-1 | 121,199 | 64,000 | 186,199 |
福岡県福岡市 | 1級地-2 | 117,915 | 43,000 | 161,915 |
北海道函館市 | 2級地-1 | 114,611 | 36,000 | 151,611 |
広島県三原市 | 2級地-2 | 113,096 | 42,000 | 155,836 |
埼玉県飯能市 | 3級地-1 | 110,548 | 44,000 | 155,548 |
香川県さぬき市 | 3級地-2 | 106,494 | 38,000 | 145,494 |
生活扶助・住宅扶助の額は、1つ前の母子家庭の例と同額です。母子家庭の例とは、生活扶助本体における経過的加算額が違い、母子家庭・児童の養育に関する加算と教育扶助がない点で差があります。
親に介護が必要なケースは、介護扶助が追加対象です。実際の支給額は、最低生活費から子の収入・親の年金を差し引いた額となります。
3人世帯の場合
以下の3人世帯を想定した場合の生活保護支給額をシミュレーションすると、最低生活費は以下の表のようになります。
シミュレーション対象世帯
- 人数:3人
- 年齢:35歳・10歳・8歳
居住地域 | 生活扶助(円) | 母子世帯等 加算額(円) |
児童を養育する 場合の加算額(円) |
住宅扶助(円) | 教育扶助(円) | 最低生活費(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
東京都23区 | 1級地-1 | 153,288 | 23,600 | 20,380 | 69,800 | 5,200 | 272,268 |
福岡県福岡市 | 1級地-2 | 149,460 | 23,600 | 20,380 | 47,000 | 5,200 | 245,640 |
北海道函館市 | 2級地-1 | 145,260 | 21,800 | 20,380 | 39,000 | 5,200 | 231,640 |
広島県三原市 | 2級地-2 | 141,075 | 21,800 | 20,380 | 46,000 | 5,200 | 234,455 |
埼玉県飯能市 | 3級地-1 | 140,018 | 20,200 | 20,380 | 48,000 | 5,200 | 233,798 |
香川県さぬき市 | 3級地-2 | 134,783 | 20,200 | 20,380 | 42,000 | 5,200 | 222,563 |
3人世帯の母子家庭では2人世帯の母子家庭のケースと比較して、母子家庭等の加算額が増額します。児童を養育する場合の加算額も2人分への増額です。住宅扶助は3人の場合の金額に増額し、教育扶助も2人分支給されます。生活保護として支給されるのは、上記の最低生活費から親の収入を差し引いた金額です。
4人世帯の場合
以下の4人世帯を想定した場合の生活保護支給額をシミュレーションします。
シミュレーション対象世帯
- 人数:4人
- 年齢:38歳・35歳・10歳・8歳
居住地域 | 生活扶助(円) | 児童を養育する 場合の加算額(円) |
住宅扶助(円) | 教育扶助(円) | 最低生活費(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|
東京都23区 | 1級地-1 | 176,485 | 20,380 | 69,800 | 5,200 | 271,865 |
福岡県福岡市 | 1級地-2 | 170,476 | 20,380 | 47,000 | 5,200 | 243,056 |
北海道函館市 | 2級地-1 | 163,839 | 20,380 | 39,000 | 5,200 | 228,419 |
広島県三原市 | 2級地-2 | 158,435 | 20,380 | 46,000 | 5,200 | 230,015 |
埼玉県飯能市 | 3級地-1 | 157,194 | 20,380 | 48,000 | 5,200 | 230,774 |
香川県さぬき市 | 3級地-2 | 125,336 | 20,380 | 42,000 | 5,200 | 192,916 |
1つ前の3人世帯の母子家庭のケースと比べると、親1人分の生活扶助が加わる代わりに母子世帯の加算がなくなるのが大きな違いだといえます。住宅扶助は3〜5人では変わらないのが一般的です。結果として、最低生活費は3人世帯の母子家庭のケースよりも低くなります。
実際の支給額は、最低生活費から親の収入を差し引いた額です。
生活保護がもらえる条件は?
生活保護の受給にはいくつか条件があります。受給条件に当てはまっているか確認してみましょう。
月の世帯収入が最低生活費を下回っている
最も重視される受給条件は、月の世帯収入が最低生活費を下回っていることです。居住地域・世帯人数・年齢などから算出される最低生活費よりも、年金を含む世帯収入が低い場合は生活保護を受給できる可能性があります。
生活扶助と住宅扶助の基準額は、年齢・居住地域によって異なります。居住地域は1級地-1〜3級地-2まで6段階に別れており、その地域での生活に必要な額で基準額が定められているため、確認しておきましょう。級地区分は厚生労働省の公式サイトで確認できます。
家族や親族からの援助が受けられない
生活保護よりも家族・親族からの支援が優先されます。したがって、生活保護を受けられるのは、家族や親族からの援助が受けられないと判断された世帯です。仮に、家族や親族が遠方に住んでいたとしても、同居したり仕送りをもらったりできる場合は生活保護を受給できません。
生活保護を申請すると、三親等(曾祖父母・おじ・おば・甥・姪)までを対象に「申請者を扶養できないか」の書面調査が行われます。仮に援助するという親族がいれば、生活保護は受給できません。援助を断られたり回答がなかったりした場合は、「親族からの援助は受けられない」と判断されます。
病気やケガなどで働けない
病気やケガなど何らかの原因で働けない人も、生活保護の対象です。うつ病などの精神疾患も対象ですが、自己申告だけでは認めてもらえない可能性もあるため病院での診断書を用意しておきましょう。日々の症状を記録した日記や、ケガの状態そのものをケースワーカーに見てもらうのも方法のひとつです。
65歳以上の場合、働けるかどうかは基準から除外されます。また、働いていたとしても、収入が最低生活費を下回っていれば受給対象です。
預貯金や土地などの資産を保有していない
十分な貯金があると生活保護の受給はできません。持っていてもよい預貯金の目安は、最低生活費の半額以下です。また、土地などの資産を持っていると、売却して生活費に充てられると判断され、生活保護を受給できないケースがあります。
公的融資制度を利用したことがある人
生活保護以外にも、困窮者の救済を目的とした、国から生活費を借りられる公的融資制度が存在します。生活保護の受給できるのは、公的融資制度を利用した(利用を検討した)がそれでも困窮状態が解消しなかった世帯です。まずは、公的融資制度が利用できないか検討してみるのもよいでしょう。
公的融資制度の例 | ||
---|---|---|
公的融資制度名 | 対象者 | 申請・相談先 |
生活福祉資金貸付制度 | 生活困窮世帯 | 福祉事務所 |
求職者支援資金融資 | ハローワークでの職業訓練を受講中の人 | ハローワーク |
母子父子寡婦福祉資金貸付金 | 20歳未満の子を持つひとり親 | 福祉事務所 |
公的融資制度も生活保護と同じように福祉事務所で相談できるものがあります。よくわからないときは、福祉事務所に問い合わせてみてください。
生活保護の申請方法は?受給までの流れをチェック
生活保護の申請方法を解説します。生活保護の申請手順は以下のとおりです。
生活保護を受給するまでの流れ
- 申請に必要な書類をできるだけ準備する
- 福祉事務所に事前に相談する
- 福祉事務所で生活保護を申請する
- 受給に必要な調査を受ける
- 生活保護を受給する
申請に必要な書類をできるだけ準備する
生活保護の申請には、いくつかの書類提出が必要です。生活保護申請書や各種申告書などは福祉事務所に置いてあるため、福祉事務所に行ったときに記入すればよいでしょう。一方、申請書・申告書の記入や申請に必要な以下の書類などは、事前に用意しておくと手続きがスムーズです。
事前に用意しておくとよいもの
- 賃貸借契約書
- 通帳
- 印鑑
- 本人確認書類(運転免許証・健康保険証など)
- 給与明細など収入がわかるもの
なお、事前に用意できない場合は無理に揃える必要はありません。用意できるものだけを持参して、福祉事務所に相談に行きましょう。
福祉事務所に事前に相談する
住んでいる地域の福祉事務所(生活相談などの窓口)に行き、生活保護を受給したい旨を相談しましょう。担当者が経済状況や就労状況などについてヒアリングを行い、生活保護が必要かどうかを判断します。生活保護が必要だと判断されたら、その場で申請書などを記入して申請が可能です。
なお、住む場所がなくても生活保護の申請は可能です。現在いる場所から近い福祉事務所に相談に行きましょう。
各都道府県の福祉事務所は厚生労働省の公式サイトで確認できるため、最寄りの福祉事務所の場所を確認しておきましょう。窓口の受付時間は福祉事務所によって異なりますが、平日の8:30〜17:30前後としている場合が一般的です。
福祉事務所で生活保護を申請する
福祉事務所で生活保護の受給を申請します。生活保護申請書や、資産・収入などの申告書を記入して提出しましょう。福祉事務所内で記入できるので、わからない場合は担当者に質問しながら記入してください。
受給に必要な調査を受ける
申請が完了すると、生活保護の受給条件を満たしているかの調査が始まります。
まず、申請から1週間以内を目安にケースワーカーによる家庭訪問を受けましょう。ケースワーカーとは、生活に困っている人を支援するのが仕事の公務員のことです。家庭訪問では、住居の状態や世帯人数、売却できる資産がないかどうかなどがチェックされます。
家庭訪問と同時に、扶養調査も実施されます。住民票や戸籍謄本から親族を調査し、援助を受けられる可能性がないか調べるのが扶養調査です。さらに、金融機関などの残高照会により、預貯金や借入金がないかどうかも確認されます。
生活保護を受給する
生活保護を受給できるかどうかの結果は、申請から14日以内を目安に通知されます。自宅に届く保護決定通知書または保護却下通知書を確認しましょう。
無事に生活保護を受けられる場合は、保護決定通知書が届きます。通知書には、保護が決定した理由や支給額などが記載されているためチェックしておきましょう。初回は生活保護の受給が決まった日に手渡し
での支給です。その後は、直近の支給日から口座振込での生活保護の支給がはじまります。
支給が開始した後も、毎月ケースワーカーに収入を報告するなどの義務が発生します。何をしたらよいのかは、担当のケースワーカーの指示に従ってください。
生活保護の支給額に関するよくある質問
生活保護の支給額に関するよくある質問とその回答を紹介します。
生活保護は年金受給中でも申請できる?
年金受給中も生活保護は申請・受給できます。最低生活費から年金受給額を差し引いた額が、生活保護の支給額です。ただし、最低生活費を年金受給額が上回っている場合は、生活保護を受けられません。
借金があっても生活保護を受給できる?
借金があっても生活保護を申請・受給できます。ただし、生活保護で支給されたお金を借金の返済に充てることはできません。借金の返済で困っている場合は、債務整理などの対策も検討してみてください。
生活保護を受給するデメリットは?
基本的に、生活保護の受給にデメリットはありません。生活に困窮している場合は、ためらわずに生活保護の受給を検討しましょう。ただ、生活保護を受給することによって資産を所有できなくなる点には要注意です。受給中は、車や家、高級ブランド品などは所有できないと認識しておきましょう。
生活保護は毎月いくらもらえる?
生活保護が月にいくらもらえるかは、居住地域・年齢・世帯人数によって異なります。厚生労働省の「最低生活費の算出方法」で計算できる最低生活費から、収入(年金を含む)を差し引いた額が支給額の目安です。詳細な金額は、福祉事務所に相談してみてください。
持ち家でも生活保護は受給できる?
持ち家があっても生活保護を受給できるケースはあります。持ち家は資産とみなされ、ローン返済に生活保護を使えないため基本的には所有が許可されません。ただし、以下のケースでは、持ち家に住んだまま生活保護を受給できる可能性があります。
- ローンを完済している
- ローン残債が残りわずかである
- ローン返済負担が小さい
- 売却価格が引っ越し費用を下回る
- 賃貸物件への入居基準を満たしていない
生活保護受給中はスマホを持てない?
生活保護受給中でもスマホは持てます。スマホは生活や仕事に欠かせない必需品とみなされるためです。ただ、生活保護を受給する経済状況では、スマホを契約する際の審査に通らないケースもあるでしょう。
生活保護受給中にスマホを持つ方法については、以下の記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。
生活保護中に持てないものは?
生活保護受給中に持てない代表的なものは、以下のとおりです。
- 一定額以上の預貯金
- 不要な車・バイク
- 住んでいない不動産
- 有価証券(株など)
- 貯蓄型保険
- 高価なもの(ブランド品など)
- 2台目以降のスマホ・PC
一定額以上の預貯金は「生活に余裕がある」と判断される可能性があるため注意が必要です。とはいえ、支給金の貯金は認められており、家電や大学資金などまとまったお金が必要なケースもあるでしょう。認められる貯金額は自治体や事情によって異なるため、ケースワーカーに相談してみてください。
生活保護受給中は、車・バイクの所有は認められないケースがほとんどです。しかし、公共交通機関が少ない地域やケガなどで車がないと移動できない場合は、例外として車の所有が認められます。とはいえ高級車の所有はできません。維持費が安い軽自動車であれば、認められる可能性が高いでしょう。
住んでいない不動産の所有はできません。住んでいてもローン返済中だと、生活保護をローン返済に充てられないため、所有が認められないケースがほとんどです。ただし、ローン残債が少ない場合や毎月の返済額が少ない場合、賃貸に住むよりも安く済むと判断されれば所有が認められる可能性もあります。
株などの有価証券や貯蓄型の保険、その他高級品も資産とみなされるため所有できません。生活必需品であるスマホやPCも、2台目以降は許可されないケースがあるため注意してください。
生活保護受給中のスマホはサンシスコンがおすすめ
生活保護受給中にスマホを契約したい場合は、レンタルMVNOサンシスコンがおすすめです。サンシスコンなら、大手キャリアの審査に通らない人でも審査不要で携帯電話を持つことができます。
携帯電話を持っていない状態から携帯電話を持つことで、住む場所や仕事を手軽に探せるようになります。また、携帯電話を使って実際に転職・求人サイトに登録し、応募・面談・就労とステップを進めば、自立した生活を取り戻せるでしょう。
サンシスコンでレンタルした携帯電話は、一定期間を経過すると個人名義に切り替わります。就労開始後も返却することなく自分名義の携帯電話を所有することが可能です。
サンシスコンのレンタルスマホの特長
- レンタルなのでスマホを購入する必要がない(契約6か月目でスマホプレゼント)
- 審査や与信がない(金融系、携帯未払い系ブラックでも審査通過)
- クレジットカードはもちろんのこと、銀行口座も不要(銀行振込)
- 通話し放題、通信(パケット)し放題(安心の大手キャリア回線)
- 初期費用のみでスマホを利用でき、月額料金はあと払い
サンシスコンなら、生活保護受給中でも携帯電話を持てます。詳しくは以下のページで紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。