生活保護のメリット・デメリットとは?

生活保護制度は、生活に困窮している世帯にとって最低限の収入を確保するためにメリットの多い制度です。事情があって生活が苦しい場合は、迷わず受給を検討すべきだといえます。

一方、生活保護を受給することで制限されるものやできなくなることもあるため、「生活保護を受けるのにデメリットがないか心配」「デメリットが怖くて生活保護の申請に踏み切れない」といった声が上がっています。

そこで本記事では、生活保護の受給のメリット・デメリットを解説します。海外旅行はできるのか、障害年金受給者にとってのデメリットはないのかなどにも触れるので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

これを読めば、生活保護を受給すると制限されることや受給の注意点が理解でき、生活保護を受給するかどうか判断するためのヒントが得られますよ。

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生活保護を受けるデメリットとメリット

生活保護を受給するデメリットやメリットについて解説します。

生活保護を受けるデメリット

最低限の生活を守るセーフティネットである生活保護の受給にデメリットはありません。生活に困窮している場合は、迷うことなく生活保護の受給を検討してください。ただし、最低限の生活費が保証される代わりにいくつかの制限を受ける点には注意しましょう。

家族や親戚に生活保護を申請したことが知られる

親族に受給したことを知られる

生活保護を申請すると、家族や親族による支援が得られないかどうか確認する扶養照会という確認作業が行われます。扶養照会は、原則3親等までの親族に申請者との同居や金銭的支援ができないか書面で連絡する作業です。結果として、3親等までの親族には生活保護を申請した事実が知られてしまいます。

所有できる資産が制限される

所有できる資産に制限がある

生活保護の受給中は、原則資産は持てません。使っていない家や土地、車やバイクなどの資産は売却して生活費に充てるように指導される可能性が高い点には注意してください。詳しくは「生活保護受給中に持てないもの」で紹介するので、チェックしておきましょう。

高価なものの所有が制限される

高価な資産は制限される

生活保護の受給中は、高級なバッグやアクセサリーなど高価なものの所有が制限されます。ケースワーカーの自宅訪問時などで高価なものの所有が発覚すれば、「生活に余裕がある」と判断されて指導を受ける可能性があるため要注意です。

生活保護受給中に持てるもの・持てないものは「生活保護受給中に持てないもの」で解説します。事前に確認しておきましょう。

所有できる貯蓄が制限される

十分な貯金は制限される

生活保護申請時の貯金額は、国の定める最低生活費あたりが上限です。最低生活費は、居住地域・世帯人数・年齢などによって異なります。60〜64歳の1人世帯を想定した場合、居住地域別の最低生活費目安は、以下の表のとおりです。

居住地域 ① 生活扶助(円) ② 住宅扶助(円) ①+② 最低生活費(円)
東京都23区 1級地-1 76,880 53,700 130,580
福岡県福岡市 1級地-2 74,310 36,000 110,310
北海道函館市 2級地-1 72,430 30,000 102,430
広島県三原市 2級地-2 71,460 35,000 106,460
埼玉県飯能市 3級地-1 70,080 40,900 107,080
香川県さぬき市 3級地-2 67,740 32,000 99,740

同じ1級地-1でも、都道府県によって住宅扶助の設定金額が違う点には要注意です。実際に認められる貯金額は、その地域の福祉事務所によって異なる場合があります。

最低生活費の詳しい計算方法は以下の記事で解説しています。最低生活費がいくら支給されるのか知りたい場合は、参考にしてみてください。

▶生活保護の支給金額の計算方法を解説!最低生活費の計算シミュレーションも

住む場所が家賃によって制限される

居住地域によって制限が異なる

生活保護の受給中は、家賃分の住宅扶助が支給されます。住宅扶助は居住地域ごとに基準額が決まっており、受給者はその基準額内の家賃の家にしか住むことができません。東京都で単身の場合の住宅扶助基準額は以下の表のとおりです。

区分 基準額(円)
1級地(23区・立川市・八王子市など) 53,700
2級地(羽村市・あきる野市など) 45,000
3級地(西多摩郡 日の出町・八丈待ちなど) 40,900

住宅扶助の詳しい計算方法は以下の記事で解説しています。住宅扶助がいくら支給されるのか知りたい場合は、参考にしてみてください。

▶生活保護の住宅扶助とは?家賃上限や賃貸契約、基準額についても解説

ローン契約は原則不可。クレジットカードの作成も難しい

ローンやクレカの作成が厳しい

生活保護受給者は、原則ローン契約を結ぶことはできません。生活保護で支給される保護費は、ローンや借金の返済に充てられないためです。そもそも車や持ち家を所有できないためローンを組むシーンは少ないものの、将来的にローン契約を検討したい場合は生活保護なしでの自立した生活を目指しましょう。

生活保護の受給中は、クレジットカードの作成も難しいといえます。クレジットカードを持ってはいけないというルールはないものの、保護費による最低限の収入では審査を通過するのは困難です。ただし、元々所有しているクレジットカードがあれば、受給前と同様に使用できます。

生活保護を受けるメリット

生活に困窮している世帯にとって、生活保護の受給は大きなメリットがあるといえます。生活保護を受給する主なメリットは4つです。

必要最低限の生活費を確保できる

必要最低限の暮らしが担保される

生活保護を受給すれば、必要最低限の生活費を確保できます。生活保護には生活扶助という扶助があり、食費・被服費・光熱費など日常生活に必要な費用に充てることが可能です。生活扶助は、生活保護の扶助の中では最も使い道の自由度が高い扶助だといえます。

生活扶助は、食費などの個人的費用(第1類)と光熱水費などの世帯共通費用(第2類)を合算して算出されます。居住地域・年齢・世帯人数によって金額が異なるのも特徴です。障害者がいる世帯・母子世帯・児童を養育する世帯には一定額が加算されます。

詳しい計算方法は以下の記事で解説しています。生活扶助がいくら支給されるのか知りたい場合は、参考にしてみてください。

▶生活保護の支給金額の計算方法を解説!最低生活費の計算シミュレーションも

家賃の扶助を受けて住む場所を確保できる

扶助を受けて住居が確保される

生活保護を受給すると、住宅扶助が支給されます。住宅扶助は、マンション・アパートなどの家賃に充てるための扶助です。生活保護受給中は原則持ち家を所有できないため、多くの場合は住宅扶助を受けながら賃貸物件に住むことになります。

住宅扶助は基準額が決まっており、その範囲内で支払っている家賃分が支給されます。基準額は居住地域ごとに異なるため、居住地域が何級地に該当するのかこちらで確認しておきましょう。

例えば、同じ東京都内で一人暮らしの場合でも、何級地に分類されているかによって基準額が異なります。基準額は都心ほど高く、地方ほど低いのが一般的です。

住宅扶助の基準額の例(東京都・単身の場合)
区分 基準額(円)
1級地(23区・立川市・八王子市など) 53,700
2級地(羽村市・あきる野市など) 45,000
3級地(西多摩郡 日の出町・八丈待ちなど) 40,900

生活保護を受給する場合、住宅扶助の基準額内で支払える家賃の賃貸物件にのみ住むことができます。住宅扶助に関する詳しい情報は、以下の記事を参考にしてみてください。

▶生活保護の住宅扶助とは?家賃上限や賃貸契約、基準額についても解説

一部の税金や保険料の支払いが免除される

一部税金の支払いが免除される

生活保護を受給している間は非課税世帯となるため、一部の税金や保険料の支払いが免除されます。

例えば、収入に応じて発生する所得税と、住んでいる地域ごとに設定されている住民税は免除対象です。生活保護を受給すると持ち家や車といった資産を持てなくなりますが、例外的に所有が認められるケースもあります。この場合に発生する固定資産税や軽自動車税も免除対象です。

また、20〜60歳の成人に義務付けられている国民年金保険料の支払いも免除されます。保険料を支払っていないため国民年金保険の資格を喪失しますが、生活保護でも医療費は原則無料です。

免除されるものの例

  • 所得税・住民税
  • 国民年金保険料
  • 固定資産税・軽自動車税

医療費・介護費・教育費などの支払いが免除される

医療費・介護費・教育費などの扶助を受けられる

生活保護を受給すると、医療費・介護費・教育費の支払いが実質免除されます。生活保護では、生活費や家賃に充てる生活扶助・住宅扶助の他に、医療扶助・介護扶助・教育扶助など用途別に必要な扶助を受けることが可能です。

生活扶助・住宅扶助以外の6つの扶助
扶助 用途 基準額例
教育扶助 義務教育を受けさせるために必要な学用品費用
  • 小学生:2,600円
  • 中学生:5,100円
  • 高校生:5,300円
医療扶助 医療サービスを受けるための費用
  • 指定医療機関に支払う医療費
  • 眼鏡・歩行杖などの購入費
介護扶助 要介護認定を受けた受給者の介護サービス利用費 介護サービス利用費
出産扶助 分娩費用や産後の入院費用
  • 出産費用:311,000円以内
  • おむつ代など:6,100円
生業扶助 就労に必要な技能の習得などにかかる費用
  • 技能習得費:89,000円以内
  • スーツ購入費など:34,000円以内
葬祭扶助 受給者が執り行う葬儀費用
  • 大人:215,000円以内
  • 小人:172,000円以内

医療扶助については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる場合は、あわせてチェックしてみてください。

▶生活保護の医療費となる医療扶助とは?無料になる条件や申請方法などを解説

生活保護受給中に持てるもの・持てないもの

生活保護受給中には、持っていいものと持ってはいけないものがあります。持ってはいけないものを保有していると指導が入り、最悪の場合支給額の減額や支給停止のリスクもあるため注意してください。

生活保護受給中に持てるもの

生活保護受給中でも持てるものとは?

生活保護受給中でも持てるのは、「資産ではないもの」か「資産だが生活に必要なもの」です。具体的に持てるものの例には、以下のようなものがあります。

  • 家電・家具・衣類など
  • ローン完済した持ち家
  • 公共交通機関がない地域における車
  • スマホやPC

まず、家電・家具・衣類など生活に必要なものは所有できます。ただし、あまりにも高価なものは不要な資産とみなされる可能性があるため要注意です。持ち家の場合も、ローンを完済していればそのまま住み続けられます。車がないと生活ができない地域では、車の所有も可能です。

スマホやPCも、生活や仕事に欠かせない必需品として所有が認められます。ただし、2台目以降は指導が入る可能性もあるため、それぞれ1台までにしておくのが無難です。

生活保護受給中に持てないもの

生活保護受給中では持てないものとは?

生活保護受給中に持てない代表的なものは、以下のとおりです。

  • 一定額以上の預貯金
  • 不要な車・バイク
  • 住んでいない不動産
  • 有価証券(株など)
  • 貯蓄型保険
  • 高価なもの(ブランド品など)
  • 2台目以降のスマホ・PC

一定額以上の預貯金は「生活に余裕がある」と判断される可能性があるため注意が必要です。とはいえ、支給金の貯金は認められており、家電や大学資金などまとまったお金が必要なケースもあるでしょう。認められる貯金額は自治体や事情によって異なるため、ケースワーカーに相談してみてください。

生活保護受給中は、車・バイクの所有は認められないケースがほとんどです。しかし、公共交通機関が少ない地域やケガなどで車がないと移動できない場合は、例外として車の所有が認められます。とはいえ高級車の所有はできません。維持費が安い軽自動車であれば、認められる可能性が高いでしょう。

住んでいない不動産の所有はできません。住んでいてもローン返済中だと、生活保護をローン返済に充てられないため、所有が認められないケースがほとんどです。ただし、ローン残債が少ない場合や毎月の返済額が少ない場合、賃貸に住むよりも安く済むと判断されれば所有が認められる可能性もあります。

株などの有価証券や貯蓄型の保険、その他高級品も資産とみなされるため所有できません。生活必需品であるスマホやPCも、2台目以降は許可されないケースがあるため注意してください。

生活保護受給中の注意事項

生活保護受給中はいくつかの注意事項があります。ルール違反をすると、支給額の減額や支給停止のリスクもあるため、事前にチェックしておきましょう。

ケースワーカーの指導には従う

ケースワーカーの指導には従うこと

生活保護受給中は、定期的にケースワーカーと話す機会があり、就職に向けた活動や生活習慣などに関するさまざまなアドバイスがあります。ケースワーカーのアドバイスは真摯に受け止め、社会復帰を目指しましょう

ケースワーカーの指示や指導に従わない場合、支給額が減ったり支給が停止されたりするリスクがあります。収入や生活状況についてはしっかり報告し、困っていることは相談するなどして、お互いに誤解の生まれない関係を作ることが大切です。

生活保護を借金・ローンの返済に充てない

借金・ローンに充ててはダメ

生活保護で支給されたお金は、借金やローンの返済に充ててはいけません。生活保護受給中も借金は禁止されていませんが、返済が困難になる確率が高いため避けた方が無難です。借金やローンの返済で困っている場合は、債務整理を検討しましょう。

高価なものや資産を所有しない

高価な資産は持てない

ブランドバッグや高級時計など、高価なものは所有できません。ケースワーカーに隠れて所有していると指導を受ける可能性もあるため注意してください。

生活保護の受給条件

生活保護の受給にはいくつか条件があります。受給条件に当てはまっているか確認してみましょう。

月の世帯収入が最低生活費を下回っている

月収が最低生活費を下回る

最も重視される受給条件は、月の世帯収入が最低生活費を下回っていることです。最低生活費とは、健康で文化的な最低限度の生活に必要な生活費のことで、生活保護制度はこれを保障するために存在します。

最低生活費は、同居している家族の年齢・世帯人数・居住地域によって異なります。最低生活費の計算方法は以下のとおりです。

最低生活費=生活扶助+住宅扶助+教育扶助+介護扶助+医療扶助

生活扶助と住宅扶助の基準額は、年齢・居住地域によって異なります。居住地域は1級地-1〜3級地-2まで6段階に別れており、その地域での生活に必要な額で基準額が定められているため、確認しておきましょう。級地区分は厚生労働省の公式サイトで確認できます。

自分の最低生活費がどの程度かは、厚生労働省の公式サイト「最低生活費の算出方法」を参考に計算可能です。計算した最低生活費を収入が下回っていれば、生活保護を受給できる可能性があります。詳しい計算方法やシミュレーション例は、以下の記事を参考にしてみてください。

▶生活保護の支給金額の計算方法を解説!最低生活費の計算シミュレーションも

家族や親族からの援助が受けられない

親族から援助が受けられない

生活保護よりも家族・親族からの支援が優先されます。したがって、生活保護を受けられるのは、家族や親族からの援助が受けられないと判断された世帯です。仮に、家族や親族が遠方に住んでいたとしても、同居したり仕送りをもらったりできる場合は生活保護を受給できません。

生活保護を申請すると、三親等(曾祖父母・おじ・おば・甥・姪)までを対象に「申請者を扶養できないか」の書面調査が行われます。仮に援助するという親族がいれば、生活保護は受給できません。援助を断られたり回答がなかったりした場合は、「親族からの援助は受けられない」と判断されます。

病気やケガなどで働けない

怪我や病気で働けない

病気やケガなど何らかの原因で働けない人も、生活保護の対象です。うつ病などの精神疾患も対象ですが、自己申告だけでは認めてもらえない可能性もあるため病院での診断書を用意しておきましょう。日々の症状を記録した日記や、ケガの状態そのものをケースワーカーに見てもらうのも方法のひとつです。

65歳以上の場合、働けるかどうかは基準から除外されます。また、働いていたとしても、収入が最低生活費を下回っていれば受給対象です。

預貯金や土地などの資産を保有していない

土地などを含む十分な貯蓄を保有していない

十分な貯金があると生活保護の受給はできません。持っていてもよい預貯金の目安は、最低生活費の半額以下です。

土地などの資産を持っていると、売却して生活費に充てられると判断され、生活保護を受給できないケースがあります。持ち家・車・PC・スマホなど、場合によっては所有が許可されるものについては、「生活保護受給中に持てるもの・持てないもの」で解説するのでチェックしてみてください。

公的融資制度を利用したことがある人

公的融資制度を利用したことがある

生活保護以外にも、困窮者の救済を目的とした、国から生活費を借りられる公的融資制度が存在します。生活保護の受給できるのは、公的融資制度を利用した(利用を検討した)がそれでも困窮状態が解消しなかった世帯です。まずは、公的融資制度が利用できないか検討してみるのもよいでしょう。

公的融資制度の例
公的融資制度名 対象者 申請・相談先
生活福祉資金貸付制度 生活困窮世帯 福祉事務所
求職者支援資金融資 ハローワークでの職業訓練を受講中の人 ハローワーク
母子父子寡婦福祉資金貸付金 20歳未満の子を持つひとり親 福祉事務所

公的融資制度も生活保護と同じように福祉事務所で相談できるものがあります。よくわからないときは、福祉事務所に問い合わせてみてください。

生活保護の申請方法

生活保護の申請方法を解説します。生活保護の申請手順は以下のとおりです。

生活保護を受給するまでの流れ

  • 申請に必要な書類をできるだけ準備する
  • 福祉事務所に事前に相談する
  • 福祉事務所で生活保護を申請する
  • 受給に必要な調査を受ける
  • 生活保護を受給する

申請に必要な書類をできるだけ準備する

必要な書類を揃える

生活保護の申請には、いくつかの書類提出が必要です。生活保護申請書や各種申告書などは福祉事務所に置いてあるため、福祉事務所に行ったときに記入すればよいでしょう。一方、申請書・申告書の記入や申請に必要な以下の書類などは、事前に用意しておくと手続きがスムーズです。

事前に用意しておくとよいもの

  • 賃貸借契約書
  • 通帳
  • 印鑑
  • 本人確認書類(運転免許証・健康保険証など)
  • 給与明細など収入がわかるもの

なお、事前に用意できない場合は無理に揃える必要はありません。用意できるものだけを持参して、福祉事務所に相談に行きましょう。

福祉事務所に事前に相談する

福祉事務所に相談する

住んでいる地域の福祉事務所(生活相談などの窓口)に行き、生活保護を受給したい旨を相談しましょう。担当者が経済状況や就労状況などについてヒアリングを行い、生活保護が必要かどうかを判断します。生活保護が必要だと判断されたら、その場で申請書などを記入して申請が可能です。

なお、住む場所がなくても生活保護の申請は可能です。現在いる場所から近い福祉事務所に相談に行きましょう。

各都道府県の福祉事務所は厚生労働省の公式サイトで確認できるため、最寄りの福祉事務所の場所を確認しておきましょう。窓口の受付時間は福祉事務所によって異なりますが、平日の8:30〜17:30前後としている場合が一般的です。

福祉事務所で生活保護を申請する

福祉事務所に生活保護申請する

福祉事務所で生活保護の受給を申請します。生活保護申請書や、資産・収入などの申告書を記入して提出しましょう。福祉事務所内で記入できるので、わからない場合は担当者に質問しながら記入してください。

受給に必要な調査を受ける

受給条件を満たしているか調査が入る

申請が完了すると、生活保護の受給条件を満たしているかの調査が始まります。

まず、申請から1週間以内を目安にケースワーカーによる家庭訪問を受けましょう。ケースワーカーとは、生活に困っている人を支援するのが仕事の公務員のことです。家庭訪問では、住居の状態や世帯人数、売却できる資産がないかどうかなどがチェックされます。

家庭訪問と同時に、扶養調査も実施されます。住民票や戸籍謄本から親族を調査し、援助を受けられる可能性がないか調べるのが扶養調査です。さらに、金融機関などの残高照会により、預貯金や借入金がないかどうかも確認されます。

生活保護を受給する

生活保護受給がはじまる

生活保護を受給できるかどうかの結果は、申請から14日以内を目安に通知されます。自宅に届く保護決定通知書または保護却下通知書を確認しましょう。

無事に生活保護を受けられる場合は、保護決定通知書が届きます。通知書には、保護が決定した理由や支給額などが記載されているためチェックしておきましょう。初回は生活保護の受給が決まった日に手渡しでの支給です。その後は、直近の支給日から口座振込での生活保護の支給がはじまります。

支給が開始した後も、毎月ケースワーカーに収入を報告するなどの義務が発生します。何をしたらよいのかは、担当のケースワーカーの指示に従ってください。

生活保護のデメリットに関するよくある質問

生活保護のデメリットに関するよくある質問とその回答を紹介します。

生活保護を受給するとスマホが持てない?

生活保護受給中はスマホは持てる?

生活保護受給中でもスマホは持てます。スマホは生活や仕事に欠かせない必需品とみなされるためです。ただ、生活保護を受給する経済状況では、スマホを契約する際の審査に通らないケースもあるでしょう。

生活保護受給中にスマホを持つ方法については、以下の記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。

▶生活保護受給中に携帯を持つ方法を解説!契約の注意点や審査に通らない場合の対処法も紹介

生活保護を受給すると家族や子どもにデメリットがある?

生活保護を受給する家族はデメリットがある?

生活保護を受給すると世帯員全員に前述の制限が適用されますが、そのほかのデメリットは特にありません。仮に進学などで子どもと世帯が分かれていれば、影響を受けることはないでしょう。

一方、生活保護世帯の子どもは、そのままでは大学に進学できません。世帯分離という手続きで生活保護の適用範囲から子どもを外せば、同居しながらでも子どもを大学に進学させることができます。

生活保護受給者は海外旅行に行けない?

生活保護受給中に海外旅行にいけない?

生活保護世帯の国内・海外旅行は認められています。ただし、多額の費用がかかる海外旅行に行くと「生活保護費が余っている」「未報告の収入がある」と思われてしまう可能性がある点には要注意です。場合によっては海外旅行中の日数分の保護費減額などの可能性もあります。

一方、冠婚葬祭・子どもの修学旅行・子どもの国際大会出場などの事情があれば、保護費減額のリスクなく海外旅行が可能です。海外旅行を計画する際は、事前にケースワーカーに相談しましょう。

障害年金受給者が生活保護を受給するデメリットはある?

障害年金受給者が生活保護を受けるとデメリットはある?

障害年金受給者でも、障害年金だけでは生活が困窮するようであれば生活保護が受給できます。ただし、障害年金も収入と見なされるため、保護費は最低生活費から障害年金を差し引いた額です。

ただし、生活保護には前述のような各種制限がかかりますが、障害年金には収入などの制限がありません。もし働いて十分な収入が得られるのであれば、生活保護は受給せずに働いた方がまとまった生活費を確保できる可能性があります。

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