携帯料金の支払いが遅れると、信用情報に悪影響がある場合があります。信用情報に傷がつくと、ローン契約やクレジットカードの作成、携帯電話端末の分割購入など、さまざまなシーンでの審査の通過が難しくなるため注意が必要です。
ただし、信用情報への影響度合いは延滞する携帯料金の種類や延滞期間によっても異なるため、「携帯料金の支払い遅れが信用情報にどう影響するのかわからない」「1か月だけの延滞でも信用情報は傷つくのか知りたい」といった声が上がっています。
そこで本記事では、携帯料金の支払いが遅れた場合の信用情報への影響を解説します。自分の信用情報の状態を確認する方法にも触れるので、ぜひ参考にしてみてください。
これを読めば、携帯料金をどのくらい延滞すると信用情報が傷つくのか理解できますよ。
目次
携帯料金の支払いが遅れると信用情報はどうなる?
携帯料金の支払いが遅れた場合に信用情報に影響があるかどうかは、支払いが遅れた携帯料金の種類によって異なる点には注意が必要です。携帯料金には、大きく以下の2つの料金が含まれています。
- 端末本体の分割払い料金
- プラン料金や通話料金
端末本体の分割払いが遅れると信用情報に影響する
端末本体の分割払い料金は、支払いが遅れた場合に信用情報に悪影響があります。端末本体の分割払い料金は割賦料金と見なされ、CICなどの信用情報機関に記録されるためです。支払いが遅れた期間や頻度などに応じて、延滞情報が登録されます。
プラン料金や通話料金の支払い遅れは信用情報には影響しない
プラン料金や通話料金の支払い遅れは、信用情報には影響しません。信用情報機関が延滞情報として登録するのは、携帯料金関連のものでは割賦料金に該当するものだけです。
とはいえ、携帯代の滞納は不払い者情報としてTELESA・TCAなど別の機関に登録され、携帯会社間で共有されます。不払い者情報が登録・共有され携帯ブラックリスト入りした状態では、スマホの契約審査に落ちる可能性があるため要注意です。詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。
信用情報に傷がつく仕組み
携帯料金の遅延によって信用情報に傷がつく仕組みは以下のとおりです。
- ① 端末料金の分割払い(割賦料金)が遅れる
- ② 携帯会社から信用情報機関に①の情報が共有される
- ③ 信用情報機関において該当者の信用情報に延滞情報が登録される
信用情報機関には、株式会社シー・アイ・シー(CIC)・株式会社日本信用情報機構(JICC)・全国銀行個人信用情報センター(KSC)などがあり、携帯会社はいずれかの機関に加盟しています。割賦料金の支払いが遅れると加盟している信用情報機関に共有され、延滞情報として登録されます。
各信用情報機関に加盟している企業は、それぞれ公式サイトで確認可能です。契約している携帯会社がどの信用情報機関に加盟しているかチェックしておきましょう。
信用情報に傷がついているかの調べ方
自分の信用情報に傷がついているかどうかは、各信用情報機関に開示請求を申請することで確認できます。株式会社シー・アイ・シー(CIC)・株式会社日本信用情報機構(JICC)・全国銀行個人信用情報センター(KSC)の開示請求方法を紹介します。
なお、より詳しい手順は以下の記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)に情報開示を申し込む
株式会社シー・アイ・シー(CIC)への開示請求は、インターネット・郵送のどちらかの方法で申請できます。インターネットを利用した方が、手数料も安くすぐに開示結果を確認可能です。
CICでの情報開示請求の概要 | |||
---|---|---|---|
方法 | 受付時間 | 手数料 | 支払方法 |
インターネット | 8:00~21:45(年中無休) | 500円 | クレジットカード・キャリア決済 |
郵送 | 申し込みから10日ほどで開示報告書が届く | 1,500円 | コンビニ・ゆうちょ銀行 |
インターネットの窓口から開示請求をする場合の手順は以下のとおりです。
インターネットでCICに情報開示を申し込む手順
- 利用環境と支払方法を確認して利用規約に同意する
- クレジット契約をしている電話番号で0570-021-717に電話をして受付番号を入手する
- 認証コードを取得(キャリア決済の場合)
- 指定のお客様情報を入力する
- 利用手数料を決済する
- 表示される開示情報を確認する
開示情報には、クレジット情報・申込情報・利用記録の主に3つの要素があります。信用情報に傷があるかどうかは、クレジット情報に記載されている内容から判断可能です。
クレジット情報にもいくつか項目があります。ブラックリストの登録状況を確認するためには、「26. 返済状況」「34. 支払遅延有無」「45. 遅延有無」「2. 保有期限」「入金状況」の4つの項目をチェックしましょう。
クレジット情報の確認項目 | ||
---|---|---|
項目番号 | 項目 | 記載内容 |
26 | 返済状況 | ブラックリストに登録されている場合は「異動」と記載あり |
2 | 保有期限 | ブラックリスト登録情報が残る期限 |
34 | 支払遅延有無 | サービスや商品の分割支払の遅延有無 |
45 | 遅延有無 | 消費者金融やクレジットカードなどの支払遅延有無 |
– | 入金状況 | クレジット会社などへの入金情報を示す記号 |
まず、報告書中央にある<お支払の状況>の「26. 返済状況」を確認してください。「26. 返済状況」に「異動」という記載がある場合、信用情報に問題がありブラックリストに登録されていると判断できます。なお、異動と記載されるのは、以下のような場合です。
- 長期にわたる支払の遅れ(61日以上または3か月以上)がある、または過去にあった場合
- 保証会社が代わりに返済した場合
- 破産手続が開始してい場合
ブラックリストに登録されていた場合は、報告書左上の「2. 保有期限」をチェックしてください。異動の原因となった遅延などが解消している場合は、「2. 保有期限」に異動情報が残る期限が記載されています。
異動情報がありながら「2. 保有期限」に何も記載されていない場合、支払遅延などの状態が続いていることを意味しています。この場合、何年経ってもブラックリストに登録された状況が解消されません。
報告書右側の「34. 支払遅延有無」「45. 遅延有無」には、各種支払に遅延があるとその項目が記載されます。ここに記載があるからといってすぐにブラックリスト入りするわけではありませんが、「長期にわたる支払の遅れ」にならないよう注意が必要です。
報告書下部の「入金状況」には、過去24か月分のクレジット会社などへの入金状況が記号で記載されています。各記号とその意味は、以下の表のとおりです。
記号 | 意味 |
---|---|
$ | 請求どおり(もしくは請求額以上)の入金があった |
P | 請求額の一部が入金された |
R | お客さま以外からの入金があった |
A | お客さまの事情で、お約束の日に入金がなかった(未入金) |
B | お客さまの事情とは無関係の理由で入金がなかった |
C | 入金されていないが、その原因がわからない |
– | 請求もなく入金もなかった |
(空欄) | クレジット会社などから情報の更新がなかった |
アルファベットの記載が続くと支払が遅れがちであることを意味します。ブラックリストに登録されていない場合でも、各種審査に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
より詳しい見方は「CIC開示報告書の見方」で確認してください。
株式会社日本信用情報機構(JICC)に情報開示を申し込む
株式会社日本信用情報機構(JICC)への情報開示の申し込みは、スマホアプリか郵送から可能です。窓口での開示請求は現在休止しており利用できません。スマホアプリ・郵送での開示請求の受付時間・手数料・支払方法は、以下の表のとおりです。
JICCでの開示請求の概要 | |||
---|---|---|---|
方法 | 受付時間 | 手数料 | 支払方法 |
スマホアプリ | 年中無休 ※午前3時〜午前4時、毎月第3木曜日の午前0時~午前8時を除く |
データ:1,000円 郵送:1,300円 |
クレジットカード・コンビニ・ATM・ネットバンキング・キャリア決済 |
郵送 | 申込書類到着から7〜10日ほどで開示報告書が届く | 1,300円 | コンビニ |
CICと同様に、手数料が安くすぐに開示報告書が確認できるスマホアプリでの申し込みがおすすめです。スマホアプリでの情報開示は、以下の手順で申し込めます。
スマホアプリでJICCの情報開示を申し込む手順
- JICCスマホアプリをダウンロードする
- アプリのトップページで「信用情報開示の申込」をタップ
- 本人認証とお客様情報の入力を済ませる
- 手数料を支払う
- 開示結果を受け取る
JICCの開示報告書は、概要・ファイルD(主にキャッシングの契約内容)・ファイルM(主にクレジットカードや金融機関の契約内容)・会員紹介記録の4つにわかれています。
信用情報に傷があるかどうかを確認するには、ファイルD・ファイルMの両方に記載がある「異動参考情報等」とファイルDの「完済日」、ファイルMの「契約終了日」のチェックが必要です。
異動参考情報等に、延滞・債権回収・破産申し立てなどの記載があれば、ブラックリスト入りしています。完済日や契約終了日に日付が記入されているものは、返済が完了している契約です。
ブラックリストに登録されている情報は、完済日・契約終了日に記載のある日付から5年経過すると削除されます。
より詳しい見方は「開示結果の見方」で確認してください。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)に情報開示を申し込む
全国銀行個人信用情報センター(KSC)への情報開示請求も、インターネットか郵送で申し込めます。それぞれの方法の受付時間・手数料・支払方法は以下のとおりです。
KSCでの開示請求の概要 | |||
---|---|---|---|
方法 | 受付時間 | 手数料 | 支払方法 |
インターネット | 年中無休 5日後には開示報告書がダウンロード可能 |
1,000円 | クレジットカード、PayPay、キャリア決済 |
郵送 | 7〜10日程度で開示報告書が届く | 1,679~1,800円 | コンビニ |
インターネット窓口を利用する場合、以下の手順で申し込めます。
インターネットでKSCに情報開示を申し込む手順
- 注意事項などを確認のうえインターネット開示手続きに進む
- メールアドレスを登録する
- 申し込み情報を入力する
- 本人確認の手続きをする
- 手数料を決済する
- 報告書のダウンロード用URLが記載されたメールが届く
- 開示報告書をダウンロードして確認する
KSCの登録情報開示報告書でブラックリスト入りしているかを確認するためには、以下の項目をチェックしましょう。
KSCの登録情報開示報告書の確認項目 | |
---|---|
記載内容 | |
返済区分 | ブラックリストに登録されている場合は「延滞」と記載あり |
完了区分 | ブラックリストに登録されている場合は、「代位弁済」「保証履行」「強制回収手続」「保証債務未履行」「移管」などの記載あり |
官報情報 | 債務整理を行い官報に載っている場合は、「破産手続き開始」「民事再生手続き開始」などの記載あり |
残債額・入金区分 | 借入やローンなどの入金状況を示す記号 |
まずは、取引情報下部の返済区分・完了区分を確認してください。ブラックリストに登録されている場合は、返済区分に「延滞」、完了区分に「代位弁済」「強制回収手続」などの記載があります。
また、債務整理をした場合は、官報情報に「破産手続き開始」「民事再生手続き開始」などの記載があります。この場合もブラックリストに登録されている状態です。
残債額・入金区分には、最大2年分の借入やローンの返済状況を示す記号が記載されています。各記号の意味は以下の表のとおりです。
記号 | 意味 |
---|---|
◯ | 請求を受けた金額全額またはそれ以上の入金があった |
△ | 請求を受けた金額の一部の入金があった |
× | 請求を受けた金額の入金がなかった |
P | 請求を受けた金額について、事情により入金できなかった |
– | 請求がなかった |
「△」「×」の記載が続くと支払いが遅れがちだということになります。すぐにブラックリスト入りするわけではありませんが、各種審査時に不利に働く可能性がある点には要注意です。
詳しい開示報告書の見方は「登録情報開示報告書の見方」をチェックしてください。
信用情報が傷つくと難しくなること
携帯料金の支払い遅れで信用情報に傷がつくと、携帯電話に関わること以外にもさまざまなことができなくなります。
借入やローンの契約
信用情報に傷があると、新たな借入やローン契約が難しくなります。車やマイホームの購入などでローンを組む予定がある人は、できるだけ信用情報に傷をつけないように注意してください。
クレジットカードの作成や更新
信用情報に問題があると、クレジットカードの更新ができなくなる可能性があります。一般的に有効期限を迎えると自動更新されるクレジットカードですが、信用情報の傷によりブラックリスト入りしていると、更新できなかったり限度額が低くなったりする場合がある点には注意しましょう。
また、クレジットカードの新規発行も困難です。申し込み後の審査で信用情報が紹介され、支払能力が十分でないと判断されます。
携帯電話端末の分割購入
信用情報に傷があると、端末購入時の分割審査に通りません。特に10万円以上の端末は一般的に審査基準が厳しいため、信用情報に傷があると分割審査の通過は難しいでしょう。一括購入であれば端末を購入できますが、一度に大きな費用がかかるのがネックです。
ただし、信用情報に問題がありブラックリスト入りした状態でも、携帯を分割購入できた事例は存在します。具体的な体験談や審査に通るためのコツは以下の記事で紹介しているので、必要に応じてチェックしてみてください。
また、ブラックでも携帯を契約する方法はいくつかあります。なかなか携帯契約の審査に通らず困っている人は、以下の記事も参考にしてみてください。
ローンの保証人
信用情報に問題がある人は、ローンや借入などの連帯保証人になれません。保証人に必要な支払能力が十分でないと判断されるためです。
信用情報に傷がついた場合の対処法
信用情報に一度傷がついてしまったら、すぐに消すことはできません。特に2か月以上の延滞で異動情報が登録され、いわゆるブラックリスト入りした状態になると、遅延の解消から5年間は延滞情報が残ってしまいます。延滞情報が消えるまでの間は、料金を延滞せずに期日までに支払うようにしましょう。
信用情報の傷によるブラックリストが何年で消えるのか、消し方などについては次の記事で紹介しています。ぜひあわせて参考にしてみてください。
携帯料金の支払い遅れと信用情報に関するよくある質問
携帯料金の支払い遅れと信用情報に関するよくある質問とその回答を紹介します。
携帯料金の支払いが1か月遅れるとどうなる?
携帯料金の支払いが1か月遅れると、信用情報に延滞情報が記録されます。ただ、1か月程度の遅れが1度あったくらいでは、深刻な信用情報の傷にはなりません。その後、期日までに正しく支払うようにすれば、ローン契約や携帯の分割審査などに大きな影響はないでしょう。
一方、2か月以上の長期にわたる延滞は異動情報として記録され、いわゆるブラックリストに登録された状態になってしまいます。異動情報は、延滞の解消から約5年間は残るのが一般的で、その間はローン契約・クレジットカード作成・携帯端末の分割購入などの審査に通らないため要注意です。
携帯料金の遅れによる信用情報の傷はいつまで残る?
携帯端末の分割払い料金の2か月以上の延滞による信用情報の傷(異動情報)は、延滞が解消してから約5年間は記録されます。1か月程度の遅れであればこれほど残ることはないため、可能な限り早く支払うようにしましょう。
携帯代の滞納はローン審査に影響する?
携帯端末の分割払い料金を滞納すると信用情報に傷がつき、ローン審査に悪影響があります。特に2か月以上の延滞で異動情報が登録されてしまうと、いわゆるブラックリスト入りした状態となり、さまざまなローン審査の通貨が難しくなるでしょう。
携帯代の滞納で強制解約されたらもうスマホは契約できない?
携帯代を滞納してスマホが強制解約されてしまうと、しばらくの間は同じ携帯会社との契約は難しいでしょう。一方、別の携帯会社を利用すれば、新しくスマホを契約できる可能性があります。
携帯料金の滞納や信用情報の傷などでスマホの契約が難しい人には、レンタル携帯MVNOサンシスコンがおすすめです。サンシスコンでは審査なしでスマホを持つことができます。
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