

過去の携帯代の滞納や債務整理などの影響で携帯電話を所有できない生活困窮者を支援するために、厚生労働省は「生活困窮者等へ携帯電話等サービスを提供している事業者リスト」を作成しています。掲載されている携帯会社は、ある程度状況に配慮して契約してくれるのが特徴です。
とはいえ、「生活困窮者等へ携帯電話等サービスを提供している事業者リスト」は一般に広く公開されているわけではないため、「ブラックでも契約しやすい携帯会社が知りたい」「どこの携帯会社なら契約できるのかわからない」といった声が上がっています。
そこで本記事では、「生活困窮者等へ携帯電話等サービスを提供している事業者リスト」の概要と、リストに掲載されている携帯会社の特徴を解説します。
これを読めば、「生活困窮者等へ携帯電話等サービスを提供している事業者リスト」とは何かを理解でき、生活困窮者でも携帯電話を持つためのヒントが得られますよ。
目次
生活困窮者等へ携帯電話等サービスを提供している事業者リストとは?


「生活困窮者等へ携帯電話等サービスを提供している事業者リスト」とは、過去の携帯代の滞納状況などに一定の配慮をして契約してくれる携帯会社のリストのことです。携帯電話の保有が難しい生活困窮者が、携帯電話を契約して就職活動や賃貸契約などを円滑に行うことを目的に、厚生労働省が作成しました。
リストを活用するのは主に生活困窮者の支援を行う団体や市町村の生活保護窓口の担当者などです。就労支援や居住支援などの一部としてこのリストの活用が奨励されています。
現在は「過去の携帯電話滞納状況等により携帯電話契約にお困りの方へ携帯電話等サービスを提供している事業者リスト」に名称が変わり、執筆時点では2024年10月に改定された第4版が最新です。
生活困窮者が携帯電話を契約しにくい原因
生活困窮者が携帯電話の契約時、審査に落ちてしまいやすい主な原因を5つ紹介します。
携帯代を滞納中である


現在進行形で携帯代を滞納している場合、他社であっても携帯電話の契約時の審査に落ちやすいでしょう。携帯代の滞納は不払い者情報として携帯会社間で共有され、携帯ブラックリストに入ってしまうためです。
不払い者情報は、携帯代を滞納しているユーザーの情報です。TELESA(一般社団法人 テレコムサービス協会)やTCA(一般社団法人 電気通信事業者協会)などの団体が管理し、参加している企業に不払い者情報を共有しています。
したがって、TLESAやTCAに参加している携帯会社で携帯代を滞納していると、同じくTELESAやTCAに参加している他社には携帯代を滞納している事実が共有されるため、新規での契約は困難です。
自分が携帯ブラックリストに登録されているかどうかは、TELESAやTCAが公開している「不払い者情報交換 各社対応窓口」から契約したことがある携帯会社に問い合わせれば確認できます。携帯ブラックリストについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
過去に強制解約をされたことがある


過去に携帯代の長期滞納や規約違反などによって携帯電話を強制解約されたことがある場合、その携帯会社の社内ブラックリストに登録されている可能性があります。社内ブラックリストに登録されていると、その携帯会社との契約は難しいでしょう。
強制解約されるとどうなるのかについては、次の記事で詳しく解説しています。心当たりがある場合は、一度チェックしてみてください。
不適切な短期解約を繰り返したことがある


転売や特典適用を目的とした利用意思がない短期解約を繰り返した履歴がある場合、その携帯会社の契約審査を通過できないケースがあります。不適切な短期解約は、その携帯会社独自の社内ブラックリストに登録される原因となる場合があるためです。
短期解約によるブラックリスト入りのリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。過去に短期解約をしたことがある場合は、一度チェックしてみてください。
ローン・クレジットカードの支払いや借金返済を長期滞納したことがある


ローン・クレジットカードの支払遅延や借金返済の滞納をしたことがある場合、携帯電話端末の分割購入時の審査に通らない可能性があります。ローンやクレジットカードの支払いの長期滞納は金融事故として信用情報機関に記録され、金融ブラックリストに登録されてしまうためです。
管理する信用情報機関には、株式会社シー・アイ・シー(CIC)・株式会社日本信用情報機構(JICC)・全国銀行個人信用情報センター(KSC)などがあります。自分の異動情報(ブラックリスト)が登録されているかどうかは、情報開示を請求することで確認できます。
信用情報機関 | 取り扱っている信用情報・金融事故 |
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株式会社シー・アイ・シー(CIC) |
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株式会社日本信用情報機構(JICC) |
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全国銀行個人信用情報センター(KSC) |
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金融ブラックリストの確認方法や開示請求の手順については、以下の記事で詳しく解説しています。必要に応じて参考にしてみてください。
債務整理をしたことがある


自己破産や個人再生といった債務整理も、金融事故として記録されて金融ブラックリストに登録されるため、携帯電話端末の分割購入時の審査に落ちる原因になります。債務整理をしたら5〜7年程度は、携帯電話端末を分割購入するのは難しいといえるでしょう。
債務整理によってブラックリストに登録される期間などについては、次の記事で詳しく解説しています。債務整理をした経験がある場合は、ぜひチェックしてみてください。
生活困窮者が携帯電話の審査に通らないときの対処法
生活困窮者が携帯電話の審査に通らないときの対処法を5つ紹介します。
滞納している携帯代を支払う


携帯代の滞納による不払い者情報は、滞納している携帯代の支払いを済ませればすぐに削除可能です。携帯ブラックリストが原因で携帯が契約できない場合は、不払い者情報がなくなれば契約できる可能性があります。
強制解約や短期解約の履歴がない携帯会社に申し込む


強制解約や短期解約による社内ブラックリストに登録されている場合でも、別の携帯会社であれば契約できる可能性は十分あります。過去に長期にわたる料金の滞納や強制解約、不適切な短期解約をしたことがない携帯会社に申し込んでみてください。
端末を分割購入する際は10万円以下のものを選ぶ


携帯電話端末の分割払いの審査(分割審査)に通らないときは、購入する端末を10万円以下を目安に安いモデルにしてみましょう。分割審査は、端末代金が10万円以上の場合に厳しくなるとされています。信用情報に懸念がある人でも、10万円以下の端末であれば分割購入できる可能性があるでしょう。
ブラックリスト入りしていても携帯電話を分割購入できたケースについては、次の記事で詳しく紹介しています。実際の体験談をもとにした審査通過のポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
分割審査に通らない場合はSIMのみ契約する


信用情報に問題がある影響で携帯電話の分割購入ができない場合は、SIMのみの契約も検討してみましょう。信用情報に問題があるだけであれば、信用情報が使われないSIMの契約の審査なら問題なく通る可能性があります。
携帯電話端末は、過去に使っていたものを使うか、リサイクルショップで中古のものを安く購入するとよいでしょう。また、購入オプション付きのレンタルスマホサービスであれば、実質分割払いでスマホを購入可能です。
審査が緩い携帯会社と契約する


どうしても携帯電話の審査に通らない場合は、審査が緩い携帯会社やほぼ審査がない携帯会社の利用も検討してみましょう。「生活困窮者等へ携帯電話等サービスを提供している事業者リスト」に掲載されている事業者以外にも、他社の審査に通らない人向けのサービスはいくつか存在します。
以下の記事では、ブラックでも携帯電話を契約しやすい格安SIMについて詳しく解説しています。気になる方は、ぜひあわせてチェックしてみてください。